和室の基礎知識 11〜15(天井板について / 鴨居・敷居について / 他) |
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11-1 天井板について 天井の造作方法は以下の4つの形態に分類されます。 格天井 格縁にて格子を作りその格間に正方形の板を張ったもので、主に格式高い部屋に使われています。 竿縁天井 竿縁を一定間隔に並べた上に天井板を載せたもので数寄屋造りの部屋に多く使われています。また、稲子天井も竿縁天井と呼びます。(稲子天井とは板を羽重ねに貼り、竿縁を廻した天井) 目透し天井 天井板同士の継ぎ目に目地を取り、透かして張る天井です。目地底に敷目板を用いる場合には敷目板張天井とも呼ばれ和室・洋室問わず多く使われています。 打ち上げ天井 野縁で下地を組み、縁甲板・羽目板・石膏ボードなどを張ったもので主に洋室に使われています。 |
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11-2 天井板について 現代の一般住宅の多くが杉貼の目透し天井であり、その杉材は産地によって、秋田杉・春日杉・霧島杉などの名称で呼ばれています。 木目には柾目・板目・杢目・中板目・中杢・笹杢などがあります。 |
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12 造作材について 座敷造作材には柱・鴨居・敷居に始まり、長押・畳寄せ・その他など様々な部材によって構成されています。 柱一つを取ってみても本柱・側柱・隅柱・付け柱・その他などがあり、その仕上げによって面皮柱・磨き丸太・名栗・その他などがあります。 |
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13-1 鴨居・敷居について 現場や電話などでの受発注の際、以下の名称を覚えておくと便利です。(以下の寸法は一般的な例です) 三七の溝(7・3・7 溝の掘り方。 溝幅が7分(21mm)、中樋端が3分(9mm)。主に襖の敷居・鴨居に使われる溝幅です。 四七の溝(7・4・7) 溝の掘り方。 溝幅が7分(21mm)、中樋端が4分(12mm)。主に障子の鴨居・敷居に使われる溝幅です。 芯振り分け(芯フリ) 木口から見て中心から左右に等間隔に溝を掘る事。「芯フリ7・3・7」や「芯振り分けの四七の三本溝」のように言います。 5分入って7・3・7 前見付けから5分(15mm)を外樋端とし、三七の溝を掘る事。 突き通し 溝を両木口まで全部掘った普通の鴨居や敷居。 対して途中で溝を止める事を突き止めと言います |
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13-2 鴨居・敷居について 一般的に糸面を取った柱に対して鴨居や中鴨居は面内に入り、敷居は畳との隙間が出来ないように面ぞろの幅となります。 敷居に対して鴨居は3oほど幅をつめて作ります。 |
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14 仕上げ方名称 現場や電話などで造作材や床材・棚板などの(特に貼物)受発注の際、以下の仕上げ方の名称を覚えておくと便利です。 木口仕上げを追加する場合は右木口・左木口・両木口などを付け足します。例えば「両面前見付けと右木口仕上げ」のように使います。 |
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15-1 欄間について 欄間とは天井と鴨居に挟まれた小壁に設ける空間部材です。2間続きの空間に連続性を求めたり、採光や換気の役割を担っています。主に彫刻欄間、組子欄間、透彫欄間、蓮欄間等があり、障子や幕板、竹を使うこともあります。 彫刻欄間 様々な図柄を丁寧に彫刻したものです。定番な図柄として「松竹梅」「近江八景」「松に鷹」「松に鶴」 「四君子」などがあります。材質、厚みの違いで価格は異なります。 ![]() 組子欄間 細く製材した桧や桐材を並べて組み上げたものです。定番な図柄として「オサ」「千本格子」「水入り」などがあり、その他彫刻入りや透かしを取り入れたもの等があります。 ![]() 透彫欄間 板厚は薄く様々な図柄を彫抜いたものです。透かし欄間、板欄間とも呼ばれます。 既成品とは別に寸法、図案等現場に合わせて作ることも多い品です。 ![]() 蓮欄間 板状に挽いた際に残った凹凸や穴を意匠としてそのまま利用したものです。人的加工を施す場合もあります。 ![]() |
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15-2 欄間について 欄間には枠付と枠無しがあります。通常、取り付けの際には欄間に枠をつけてケンドン式の欄間鴨居と欄間敷居の空間にはめ込みます。(黒い枠付きの写真や商品がありますが正規の枠ではありません) |
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